2020-06-06

ウクレレ 修理

あっちゃー。やってしまった・・・

久しぶりにウクレレをケースから取り出すと、ブリッジ(ホールの下の弦を張る始点のバー)が外れてしまっていることがあります。

ウクレレの弦を緩めて保管しないとこのようなことがおこります。

市販の材料で修理できますのでご紹介します。

まずはこちらの道具を準備します。

<準備する道具>

・C型クランプ (深型100×145㎜)

・Titebond(木工用接着剤)

・紙ヤスリ ( #150・#320 ) 

全部揃えてもアマゾンで1,500円くらいです。ご家庭にあるものでも事足りますが、家のちょっとした修復にも便利な道具なので購入しておくとよいでしょう。C型クランプはウクレレのブリッジまでの長さ、ボディの幅を確認して選んでください。ボンドはいろいろ試しましたが、上記の商品がおすすめです。仕上がりがパリッとした瞬間接着剤よりは、少しネバネバした粘着性のあるボンドの方が接着力が強いです。紙ヤスリは、なんとなく削れれば大丈夫です。紙ヤスリの番手は#数字が小さいのが粗く、#数字が大きいのが細かいの意味です。

最初にボディとブリッジに残っているボンドを削ります。ボディを傷つけないように周りにマスキングテープを貼ってから削ると安全です。粗目で削って、細目でならします。

サンディングが終わったら、ブリッジにボンドをつけてボディに貼ります。どこに貼るかわからなくなるので、鉛筆とかでマーキングしておくとよいでしょう。ボンドは薄めにつけて少し(2分くらい)乾かしてから貼るのがよいです。はみ出たボンドは水拭きでふいてキレイにします。

動かないようにしっかりとクランプで固定します。均等に力が加わるようにチェックします。あまり強くクランプを締めるとウクレレを破壊してしまうので十分注意してください。ボディを傷つけないように添え木をするとよいでしょう。クランプを使わないで、貼ってあるだけだと接着力が弱いので、クランプが手元にない方は重しを使うか、割りばしと輪ゴムで固定するなどしてください。しっかりと加重をかけることがポイントです。この状態で一晩寝かせてください。

(。´-д-)。o○ zzZZ

翌朝、しっかりと接着剤が乾き、固定されていることを確認したうえで、クランプを外します。くれぐれもクランプを外すときは、ギアを反対に回してウクレレを破壊しないように注意してください

最後は弦を張り直して、修理終了です。

▼ここからは、豆知識編になります。

本物のウクレレ職人は膠(ニカワ)を使って接着します。ニカワとは獣類の骨・皮・腸などを煮込んで抽出したゼラチン質の接着剤になります。上段の写真は国内のウクレレメーカーの工場見学会に行ったとき撮ったものです。年季入ってますね。ニカワはウクレレだけでなくヴァイオリンや打楽器などの製作に使われ、接着力がつよく、木材との相性がとてもよく、水で湿らすと剥がせたりしますので修理が伴う楽器には最適な接着剤となります。日本でも、海外でもニカワは古くから使われ、何百年もの昔の楽器が現役で音を奏でることができるのもこのニカワのおかげです。自然のものはスゴイですよね。化学接着剤は強力な接着力と扱いやすさはありますが修理を繰り返すことを考えると不向きです。ニカワは手に入りますが、湯煎して使ったり、溶けたり、溶けなかったり扱いは難しいです。また、質の良し悪しも一般の人にはわかりません。あと、匂いもそれなりです。動物の色々なものが混ざって固まっているのですから想像はできると思います。本物を目指して修理する方はニカワにチャレンジしてください。

関連記事